不慮の事故で子供を亡くした夫婦の苦悩。
アンチクライスト。
タイトルからして物議を醸しそうな作品だけど本当に衝撃作...
旧約聖書とか、宗教が絡むと作品に悪魔的な何かが潜んでいるような気さえしてくる。
この陰鬱な雰囲気に囚われそう。
悲嘆、苦痛、絶望の3人の乞食。
"女"という本質。
初めは子を無くした夫婦、特に精神的に病んでしまった母親の苦悩を治療するために葛藤するセラピストの夫。
恐れていたエデンを訪れた母親がいよいよ本格的に狂い出す。
3人の乞食が現れた夫は誰かが死ぬのを察したのかな?
乱心し始め狂った母親の所業が恐ろしい。
演技とは思えない。
1番怖かった... シャイニング超えた
ウィレムの殺意の眼も忘れられない。
精神的にも肉体的にも、かなり心抉る内容。性的なシーンが多いのもまたどこかグロテスクに感じる。
ラストの、下山している男に女性達が
群がるシーンは何を表現しているのだろう...
メタファーに対する理解がまだまだ足りないというか、勉強しないと難しいな...
ただ母親の気が狂っただけの作品ではない、悪魔や過去の忌まわしい歴史の伊吹を感じて観たあとの恐ろしさ。
大地に根付いた自然が恐ろしく感じる。
人の手で取られたカメラワーク。
この映画に音楽などなく、
人の深層心理の恐怖を呼び起こすような
不気味という言葉では足りない"音"が、
恐怖を増幅させる。
プロとエピは美しい古典のコーラスだが。