竜平

エンド・オブ・ザ・ワールドの竜平のレビュー・感想・評価

3.9
3週間後に小惑星が地球に衝突、政府による最後の策も失敗に終わり本格的に人類滅亡のカウントダウン開始、と同時に妻に逃げられてしまうとある男の姿有り、というところから始まる話。

待ってた作品がこれまたU-NEXTに来てくれたもんで久しぶりに鑑賞。人類滅亡間近というめちゃくちゃシリアスな状況なんだけど、それをちょいブラックにシニカルに映し出す。わりと最近のディザスター映画『ドント・ルック・アップ』にも通じる、けれどもこっちはハートフル的でヒューマンドラマ推しという感じ。で、この状況だからこそ見えてくる人間模様、悲哀、妙な微笑ましさなどがやっぱり見どころ。この状況下で知り合うことになるメイン二人をスティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイが好演。みんな好き勝手やり始めてる中、妻に去られたばかりでイマイチそんな気になれない男ドッジと、同じアパートに住んでるけど挨拶もとくに交わしてなかった女性ペニー。彼女たまに情緒不安定で涙脆くなるのがおもしろい。そしてひょんなことから出会うことになる犬の「ソーリー」、めちゃ可愛い。正反対ながら次第に心を通わせていく二人の様子は挿入歌も相まってなんともいい感じ。重すぎず和やか、でもちゃんと綺麗事だけじゃないのもいいなと。男女間の話とかね。

「他人」と「知り合い」、「親友」や「大切な人」といったじつは曖昧な部分、そこらへんを深く、また慎重にも描いてる印象。意外と境界線ってなくて、結局はその場のノリだったりフィーリングだったりするのかもしれないんだけど、何はともあれ誰かが傍にいてくれること、それは本当に幸せなことなんだよなと。かなり久しぶりに見たんだけども終盤がとくに印象的でわりと覚えてたってゆー。いやはや雰囲気ステキ系、軽めにほっこり体験。「日常」というもの、誰かを想うこと、それらの素晴らしさまで思い返せるような一本。余韻も良き。
竜平

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