スープ大臣

風立ちぬのスープ大臣のレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.8
堀越じろうという人生のA面を見せられただけなのにB面まで見せられたような気分になり最近ので言うと彼の人生のサムネイルを見ただけなのに本編まで見せられたような歴史で言うと彼の正倉院を見せられただけなのに正倉院宝物まで見せられたようなそんな錯覚に陥るほど没入感があり、主人公に共感・共鳴もしていないのにこんなに没入してしまったのは何事だと考えると想像力を掻き立てる繊細な描写、オーバーはあってもリアリティは忘れない人物造形、物語の邪魔をしない音響等色々あるのかもしれないが前半のこの時代を生きていないのに「懐かしい」とさえ感じる作画は流石の一言。断片的な情報でしか知らなかったあの時代が本当に動いていた。風が動かしたのだろうか、時代も感情も麦わら帽子も。