零戦の設計者、堀越二郎を題材にした作品。
とは言え、戦争をテーマにした内容ではなく、二郎の人生、仕事、恋愛にスポットが当てられていて悲しさの中にも希望が描かれている。
関東大震災の表現は、得体の知れない不気味な様子を醸し出しており見所の一つ。
大人になった主人公の声に違和感を感じて声優を調べてみたら、かつてナウシカで宮崎駿監督の下で働いたエヴァンゲリオンの庵野秀明監督だった。
宮崎駿監督たっての希望だそうで、庵野監督の淡々とした喋り方が、宮崎監督がイメージする主人公に重なったそうだ。
庵野監督に思い入れがある人ならば、その辺りも興味深く鑑賞できたと思うが、
そうでなければ、余り好感触は得られないだろうなと思う。
個人的にもプロの声優を起用して欲しかったし、その方が作品のクオリティは更に上がったのではないかと思う。
因みに作中で二郎は、妻と死に別れ、二人の間に子供は授からなかったようにも見えるが、実在した堀越二郎には6人の子供を妻との間に授かったようだ。