Minami

風立ちぬのMinamiのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
4.0
小さい頃に一度見たきりだったので再鑑賞。なんせ舞台は1920年という怒涛の時代。面白いのが、日本だけでなく “飛行機”という武器を通して当時の世界情勢や国家間の立ち位置が伺える内容だったのが非常に興味深かった。

私自身、この第一次世界大戦後からの日本の動きにとても興味があったので、当時の日本を少し覗いたようなそんな気持ちにも。白人至上主義な世界、新興国の仲間入りを果たそうと試みる日本、ドイツとイタリアとの同盟国内での関係性、第二次世界大戦前の日本の在り方。

“僕はただ美しい飛行機が作りたいだけ”何度も二郎が劇中に繰り返した言葉、綺麗事も言ってはいられないけど、彼のやりたかった飛行機を作るという夢は、当時は戦争に直結していたという紛れもない事実。恐ろしい時代だなあと改めて痛感。
矛盾だらけ、綺麗事ばかりも言ってはいられない、でも自分自身がどこにどうやって重きを置いて物事を捉えていくか、どこの時代においても結局はそこなのかも。菜穂子も不治の病にかかっていたからこそ、二郎の仕事など何も気にせずシンプルな気持ちで結婚できたような気もするし、価値観かなあ。

塗り替えられた嘘の歴史で溢れた祖国、アメリカに負ける前の日本という時代背景が私的には好みでした🙏🏽
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