kuu

世界にひとつのプレイブックのkuuのレビュー・感想・評価

3.6
『世界にひとつのプレイブック』
原題Silver Linings Playbook.
映倫区分G.
製作年2012年。上映時間122分。

それぞれに最愛の人を失い心に傷を負った男女が再生していく姿を、笑いや涙を交えて描いたヒューマンコメディ。
監督は『ザ・ファイター』のデビッド・O・ラッセル。
主演はブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス。
パットの両親役でロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーバーが共演。

奥さんの浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。
いつか奥さんとよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。
愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが。。。

多くのロマンティック・コメディには、良くない演技、強度な甘ったるさ、ホンでもっての予測可能な瞬間がドバドハ大量に含まれてるけど、今作品は良い意味で異色なロマ-コメでした。
たしかに多少の甘さがあるかもしれへんけど、どんなロマンチックな状況でも多少はあるはず。
しかし、実際には、今作品は完全にオリジナルで、非常に面白く、主役の二人の演技が良かった。
デヴィッド・O・ラッセルが脚本と監督を務めた今作品は、『リミットレス』『ハングオーバー』のブラッドリー・クーパー演じる、8ヶ月間の精神病院での入院生活を終えたばかりの男の話。
彼は人生をやり直したいと思ってるんやけど、両親と自分の不安定な状態に阻まれ、なかなかうまくいかない。
しばらくして、彼はジェニファー・ローレンス(『ウィンターズ・ボーン』、『ハンガー・ゲーム』)演じる女性と興味深い友情を築きます。
この2人のキャラは、同じような問題を経験しているし、彼らの友情はさらに風変わりで示唆に富んでました。
ロマンティック・コメディの多くは陳腐でやり過ぎなとこあるけど、今作品は比較的に新鮮な空気を吹き込んでくれました。
通常、このジャンルは、どん底の野郎が、完璧な女を見つけるちゅう特殊なロードマップに従っている。
しばらくすっと、男は女を失い、非常に陳腐で非現実的な方法で女を取り戻さなければならない。
今作品が斬新なんは、そんな平凡なストーリーラインには少しも従わないことで、予測不可能であるんと同時に、より親しみやすいものになっている点好きやなぁコナイなん。
この映画にはクリス・タッカーが出とったけど、彼でさえも予測不可能やった。
映画『ラッシュアワー』以来、小生が無知ゆえか、クリス・タッカーの姿みてなかったけど、意外にもまろやかな表情をしていた。
まろやかといっても、彼は非常にコミカルで、この映画で素晴らしい役を演じてました。
しかし、なんちゅうても最も驚いたんは、ブラッドリー・クーパーの演技でした。
コメディでありながら、これまでで最もシリアスな役柄を演じている。
今後、今作品の彼の演技を目の当たりにしたら、この人が演技ができるかどうか、もう疑う余地はないんちゃうかな。
間違いなくクーパーのこれまでのキャリアの中で最高の作品といって過言じゃないんちゃうかな。
ジェニファー・ローレンスも同等の演技をしてたけど、それはアカデミー賞にノミネートされた若手女優に期待されることであるんかな。
作中のローレンスの役柄で驚いたんは、その大人っぽさ。
正直、ローレンスの作品見てて、『ハンガー・ゲーム』でカットニス・エヴァディーンちゅうキャラを演じた後、10代の役から抜け出せないんちゃうかと思てたが、彼女は本作で、非常に大人っぽく、しかもプロらしい演技を見せてたし、その疑念を黙らしてくれた。
今作品は創造性にあふれ、ロマンスの決まり文句を最小限に抑えた作品で、ここ数年のロマンティック・コメディーの中では、個人的にトップクラスの一つやと思いやす。
大笑いする瞬間や、思わずニヤリと笑ってしまうほど心が温かくなるシーンがたくさんあり、男性も女性も気軽に楽しめる、ホットな映画やと思いました。
kuu

kuu