愛、アムールの作品情報・感想・評価

「愛、アムール」に投稿された感想・評価

konaka

konakaの感想・評価

3.0
いい映画。内容の良し悪しとは全く別に、ハネケの作品と思って観ると、他の作品にある怒りみたいな要素があまり感じられなかったのと、死が救いというのがかなり分かり易く優しくて、少し意外だった。
いやはや・・・やっぱりスゲェよハネケ!

前〜中盤はハネケにしちゃあマイルドだなと思ってたら
ラスト10分でドカンと来た
あの幕切れも凄く好き

脇の脇に至るまでキャストが名優揃い
イザベル・ユペールもトランティニャンも巧かったけど
エマニュエル・エヴァが圧倒的
何かもう・・・凄かった
ttrr

ttrrの感想・評価

3.8
枕元に物が増え、徐々に意思疎通ができなくなってく過程に、親がやっていた祖父母の介護を思い出して辛い。
夫と妻の台詞を正面から撮り、交互につなげて会話を表現していたが、だんだんと横から二人画面に収めたショットに変わっていくのが印象深い。
べりす

べりすの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

見たあと感想書こうとしても思い出して涙が出てしまう…。

最初に消防隊が部屋を開ける。
そんな開けられないの?って思ったけど主人公が妻を殺したあと目張りとか色々してたからかぁと。
お花に囲まれて喪服。

最初のシーンが繋がるのはビックリして、もっかいエンドロールのあと最初のシーンを見た(DVDの良いところ)。

ところで、ラストは二人でお出かけするところだけど、あれは主人公も妻を殺したあと自殺したってことでいいのかな?
二人で旅立ったってことかな?

介護疲れとか言われたりして、
殺してしまう高齢者の人のニュースは毎年見かける。
そのたびに、こういうのは犯罪者になるのかとか、色々議論されている。
胸が痛い話。
誰かに任せればいい、で終わる問題でもないが日本だと「お金がない」だとか「頼れる人がいなかったのか」とか言われてて、こちらの作品は娘さんもいるしお二人とも元音楽家で高級住宅街の設定らしいのでお金は十分にあるけども…といったところに少し「愛」の歪さも感じられた。
年を取って頑固になるというのもあるのかもだけど愛するがゆえに他の人を信用できない、離れたくない、けれどもうこれ以上…なところかなぁ。
枕で窒息死させる前に思い出を語っててそのまま殺そうとしたから泣いてしまった😭

人間って難しいなぁ
仕事を選んだり
趣味を選んだり
パートナーを選んだり
ご飯を選んだり
寝具を選んだり
お洋服を選んだり
色んなことを生きてる間に自分で選べるのに
死に方は自死以外は日本では選べないよね。
死ぬ前にこういうラストと思い描けるけどそれを実行できる人がどれだけいるのか。

疲れる前に、みんなが財力関係なく老人ホームに入れる社会ってのは理想すぎだけど、どうにかならんもんかな。二人では入れたら良かったのにってこの二人見て思った。
よく政治とかもわからんなかどーなるかもわからず年金払ってるねんけどぉ…とか思ってしまったよ。

エンドロール音楽が流れないぶん、ものすごく色々考えてしまった
Yui

Yuiの感想・評価

4.0
重くしんどく考えさせられながらも、美しさと揺るがない愛が目に見えるような作品だった。

病に倒れ、その後遺症が残り、半身麻痺になってしまった妻と、その妻を介護する夫。とても現実味があって、丁度いいテンポと余白が、それぞれが自由に解釈出来るようになっていて、その余白を存分に堪能出来た気がする。

やっぱり介護は大変で、目の当たりにするとやはりしんどくて、心が潰れそうな感覚も覚えたけれど、半身麻痺になっても家に帰りたい、夫の側にいたいと思う事はワガママなのだろうか?年老いて、そんな妻の願いを受け止めようとする事は無謀なのだろうか?

どちらもとても頑張った(;;)
頑張りすぎたくらい頑張った(;;)
こうなる以前から、夫婦で色んな事を乗り越え、笑い、涙しながら生きて来たんだろう。そんな考えが広がるくらい二人が繊細に描かれているし、今までの二人の生活を想像し、想っただけで涙が止まらないし、そんな深い深い絆と、長い長い時間培ってきた二人の愛がずっしりと心にのしかかります。

ラストの決断は愛なのかエゴなのか。
正直、私はどちらでもいいかな。
思い合えば、愛もエゴも紙一重だと思うから。
エゴだったとしても、それすらもきっと受け入れて、包み込んでくれるよきっと。

老老介護の目線でも、色々考えてしまう事は多かったけど、ミヒャエル・ハネケ監督が社会問題ではなく、愛を描きたかったのはとても伝わりました。

これを観たら、先日観た『ファニーゲーム』のつまらなさ何だったの?同一人物なの?ってなりますね。笑


2021-405

このレビューはネタバレを含みます

2020/4/11
公開時に観に行った記憶がなくなってたけど、実質は2回目の鑑賞。
結局のところ、介護疲れという感じ?
空気感はいいんだけど、僕としてはアリスのままでが好きかな
絢

絢の感想・評価

4.0
そこまで数は見てないけどハネケ監督の合間とかシーンの長回しが伝わる映画。
テンポ感がほんとハネケ監督。
歳を取るっていうのはそういうこと。
愛情とエゴの複雑に絡み合う感じ。
フランス映画を見た後味。

ん、やっぱごめん。しんどい話だった。
エンドロールが始まってから鳥肌立ちました。
うーん、他人事には感じない作品でした。自分の身内にも似たように寝たきりになった人がいて映画とかなり似た状態だったから見ていてちょっと辛かったです、、、そした介護の様子とかかなりリアルだったと思います。自分が老人ホームに行った際に見た光景にかなり近かったです。
自分の将来について考えさせられる作品でした。
音楽家老夫婦のアンヌとジョルジュ、アンヌの認知症が発症し入院を嫌がるアンヌの意思を汲み取りジョルジュの介護生活が始まっていくパルムドール受賞作
認知症なったその人自身の心情や視点で描いていくアリスのままで、ファーザーのような映画とは異なり認知症によって苦労していく家族(主にジョルジュ)のみの視点で描いている
ミヒャエル・ハネケ独特の不安に押し潰されそうな長回し画作りはさすがだった
最後の最後までアンヌを思いやるジョルジュの愛にも心を揺さぶられた
R

Rの感想・評価

4.9
これマジ究極の映画。これで4回目の鑑賞やけど、こんなヘビーな映画、なかなかお目にかかれまい。しかも見るたびに、そのときの気分なのか何なのか、結構見え方が変わる。事故等で中断されることがなければ、どんな人間も絶対に避けることのできない、人生最大の苦しみー老、病、死。そのあまりにも残酷な現実をハネケがえぐりにえぐり出します。重すぎます。お話は、消防隊が死臭のきついマンションの一室に押し入って、ベッドの上に老人の腐乱死体を見つけるところから始まる。一体何があったのか。時は遡り、仲睦まじい80代くらいのピアニスト老夫婦ジョルジュとアンヌが、綺麗なマンションで、満ち足りた幸せな老後を送っている。長い人生を共に歩んできた誇りと愛のオーラが彼らを包んでいる。だが、ある日、突然アンヌの時間が止まってしまう。いったんは元どおりになるも、検査してみると病気が見つかり、早期対処のため、成功確率95%の手術をすることに。不運にも、手術は失敗。右半身が麻痺し、今後、少しずつ、容赦なく、確実に、麻痺は全身に進んでいく。プライドの高いアンヌは、入院や介護士を嫌がり、すべての世話をジョルジュに任せる。ベッドの上り下りも、移動も、下の世話も、入浴も。ジョルジュは盲目的なほど献身的に看護を続け、やがて、外界との接触が減り、彼らは、自ら進んで、隔絶されたふたりだけの生活を送っていく。という流れで、とにかくもー見てるのがつらい。それは彼らを見てるつらさだけじゃない。自分もやがて似たような状態にならないとは限らないし、少なくとも老病死は、生きていくならば絶対に避けられない。この現実。この過酷な現実を、こんなにひしひしと感じるなんて、普通に生活してる上ではそうそうない。そのことに見てる間ずっと向き合わされる。ほんとにすごい体験です。あと、前半出てくる外部の人たちの別世界感がこれまたキツい。両者ともまったく悪意なきまま、生が継続する者と死に接近する者の間に、目に見えてしまいそうなほどの断絶ができてしまう。そして、ジョルジュもアンヌもそれに対して投げやりな諦めを決め、冷徹に拒絶することしかできない。よって、部外者がとんでもなく冷酷にも見えるし、ふたりが極めて身勝手にも見える。これが見ててホントつらい。そして、最後の展開には思わず、えっ!!! えっ!!! えーーー!!! 絶句することしかできない。涙すら出ない。すごい。好き。ハネケ。好き。そして、ジョルジュとアンヌを演じたジャンルイトランティニャンとエマニュエルリヴァの演技のすごさ! この歳でこの演技をするの、精神的に相当つらかったんじゃないかな。あまりにリアルすぎて。それとも彼らくらいの年齢になると、もはや達観してるもんなんやろか。いやーホンマに、とてつもなく重い映画でした。ちなみに1回目見たのは劇場でした。大きな劇場のなかにいた観客のほぼ全員が、ひとりの老人、または老夫婦だった。上映が終わって劇場を出るときの沈黙の重さ……彼らはいったい何を感じていたのだろうか。この映画は今後も何度か見ることと思います。見るたびに、軽くとらえられるようになっていったらいいな。

ちなみに、ここから下は、かなり前に見たときの感想文です。記念に載せとこ。

二回目見たけど少し感じ方が変わった。深く愛し合う夫婦の老老介護を死ぬまで描いた作品なんだけど、見ようによっては悲しくも美しい愛を貫く映画だし、シニカルな見方をすれば、身勝手なふたりのわがまま放題、更にひねくれさせると戦慄のホラー映画にも見えてくる。が、それでもやっぱり、誰しもがいずれ訪れる現実的な終末に思いをはせざるを得なくなるような、個人的な感情にズシンと入ってくる、極めてヘビーな作品であるという点では一致するんじゃないかな。淡々と、じっくりと、リアルに、後戻りのできない病状悪化のプロセスと介護の描写を重ねていき、分かりあうことのできない周囲の人間との認識の隔絶をあぶりだす。すごい映画。できるだけ多くの人に勧めながら生きていこうと思う。いままであらゆる問題を突きつけてきたハネケ映画のなかで、答えを出すのが最も難しい作品だと思った。
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