備忘録

愛、アムールの備忘録のネタバレレビュー・内容・結末

愛、アムール(2012年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ひとつの究極の愛の形をハネケならではの距離感で描いた、何とも比べることのできない唯一無二の映画です。

当時、映画館での観賞後に動けなくなりすぐ外にある待合所のソファで3分ほど座り込むという初めての体験をしました。
まさか公共の場であんなに身体中が脱力するほど涙が止まらなくなるとは思わなかった。 

とにかく上品だな~~~~~って感じたのは終盤でおじいさんが奥さんをコ…って時に、ずっと距離感を保ってるとこなんですよね。
演出面では感傷的な音楽もカメラ寄りもない。演技面でも行動前におじいさんはわかりやすく感情を昂らせないし、なんなら奥さんはまだかつての面影も感じる瞬間さえある。
普通の映画ならここでおじいさん泣かせてカメラグワァ~!って近づけて音楽ジャーン!って鳴らしちゃうんでしょ知ってる…そういう映画はあんまり好きじゃないの…。

静かで不穏な時間が映画の多くを占める代わりに、オチとも言える部分を最初に持ってくることで映画のバランスもすごく整ってる。
ファニーゲームとかあんな変で意地悪い映画ばっか撮ってるのに、こんな映画も撮れちゃうんだぁ…すげえ……。
も~~~~~~~~~ハネケの大ファンやめられない、しんどい。(でも観ちゃう)
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