KATO

愛、アムールのKATOのネタバレレビュー・内容・結末

愛、アムール(2012年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

愛しているからこそ、耐えきれなくなるんだろう。

老老介護の現実をまざまざと見せつけられて、胸が痛んでしまう。しかし、これは現代では切り離せない現実だ。
「誰かに頼るのはカッコ悪い」
「娘には頼りたくない」
「まだ、大丈夫」
「妻を愛している」
呪いの言葉が主人公である夫を縛り付けているように感じた。妻の細くなった首に手をかけたとき、彼はどんなことを考えたのだろう。
恐ろしくも、少しの安心がそこにはあったはずだ。

自分を愛してくれた妻が、自分が愛していた人が、身体を不自由にしてからはどんどん変わっていってしまう。うわごとのように「愛しているから」と言っても、自分の首を絞めるだけ。

介護は他人に頼れるなら、そのほうが良いというのはこういうことなんだよなぁと感じた。

美しく、悲しい物語だった。
KATO

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