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愛、アムールのkoikinabeatのネタバレレビュー・内容・結末

愛、アムール(2012年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

仲睦まじい音楽家の老夫婦が、妻の病気をきっかけに、愛とエゴで揺れ動きながら終生を迎える話。ストーリーのほとんどが、二人の住まいで展開され、だんだんと家の構造がわかってくるのだが、それが話の一番最初の謎解き(夫はどこでどうなかったか)につながるという構成力に感嘆した。他にも、水=生命を止めたい妻と、止めたくない夫。ハト=二人の平和・安穏を受け入れたくない夫(最後には受け入れるのだが)など、記号的な描写が、映画に抑揚や奥行きを与えている。
タイトルはアムール(愛)。妻を生かしたい、頼られたいと思っていた夫は最後に、妻の意向を受け入れ、自ら妻を殺す。この愛は、エゴとの葛藤なくして語られない清濁あわせのむ愛なんだと感じた。
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