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愛してる、愛してないのyyyymmddのネタバレレビュー・内容・結末

愛してる、愛してない(2011年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

新文芸坐 オールナイト上映「ヒョンビン さらに光り輝いて」にて鑑賞。2度目のオールナイト上映だけど、やっぱり眠くなりがちな作品がまず1本目にくるのかな。1本目にして今日一番好きな作品でした。

基本的には2人の密室劇がひたすら続いていく。最初こそ会話のみで進むけれども説明的なセリフはほとんどなくて、2人の関係性すらも恋愛なのか夫婦なのか終盤までわからなかったりする。

雨の音と薄暗い部屋(それに対比して映されるあなたが去った後の雨上がりの部屋)、入り組んだ複雑な間取り。これらが作品の背後で常に悲しさを感じさせる。この画めちゃくちゃいいな…!!みたいなのがたくさんあって映画的な良さが溢れていた。(大きな窓、螺旋を描く階段、位置の違う2人の表情をフォーカスを切り替えながら見せるカット…)

一見わかりあっているようでお互いの心の奥が見えないもどかしさを感じる会話。ヒョンビン演じる彼はただただ優しいけれど心の奥でどう感じているのか全然わからない。だから彼女は耐えられなくなって他の人のところへ行ってしまうのだろうなあ。大丈夫っていつもの言葉じゃなくて心の中で感じていることを教えてほしい、という気持ちはすごくわかる。彼女が彼の胸を叩くシーン、言葉を使わずにもどかしさが伝わってきてすごく良い。

自分の視点では、彼女は本当は相手を"愛して"いて、"愛してない"のは彼の方だったんじゃないのかな、と思う。

彼女のもどかしさが描かれ続けるけど、最後には彼も耐えきれずに感情が溢れそうになる。猫を通して彼に語りかけるように、「(わたしはずっと一緒にはいられなかったけど、あなたならきっと)これからも上手くいく」という言葉をかけてあげるのがすごい良かった。最後に劇的なエンディングがあるんじゃなく、彼女が出ていく前で余韻を残してエンディングとなるこの感じもすっごく好き。

おそらくは過去の自分を劇中のいくつかの場面で見た気がしたのがハマった要因なのかなあ。恋愛するならこの映画を好きだという人がいいな、なんて思った。
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