Kaji

愛してる、愛してないのKajiのレビュー・感想・評価

愛してる、愛してない(2011年製作の映画)
3.0
BGMも雨の音だけ、会話も少ないミニマムな仕立て。

妻の浮気が決意させたのだろうけど、なんか夫婦間で言葉になりにくいわだかまりがあったんではないかと察する力を駆使して観ないと、退屈な映画かもしれない。

最初の車中会話で出てた写真家が姿を見せないキーキャラクターで闖入した子猫とお母さんとの電話や雨が吹き込んできたり、全てがヒントかマクガフィンか微妙なところで2人の距離感が遠いやら近いやらほんとに微妙であいまいな感じが一本通じて揺るがない。

あの猫と台風って設定が2人の距離を縮める存在ではなかったし、何かの引き金を引くものでもなかったけど、人為のどうにもならない事が起こってるってのを表してるのかもしれない。

何日間の出来事を追ってるのでなくて、閉じ込められた1日を映しているので時間の流れが妙に優雅なところがちょっと痛々しかった。


イユンギ監督、ビターでオシャで大人な恋愛映画ばかり撮ってる印象。
男女の距離感の移ろいを「しょうがないよな、、」って言い訳しながら時間を消費してる大人のダメさがもの悲しくなる演出が上手い。
Kaji

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