誰が悪くて誰が悪くないのかを追求する映画は無数にあるが、全員がどこまでも救われない映画は珍しいのではないか。
旧友を頼って修道院にやってきた若い女。彼女はやがて異変を起こし、悪魔憑きだと言われるようになる。
2時間30分という長い作品だし、BGMや効果音の類はない。淡々と彼らが悪魔を祓おうとする様子が描かれている。友人を信じる汚れのなさ、悪魔がいると信じる汚れのなさ、そして自分たちは間違っていないと信じる汚れのなさは全員をどこまでも追い詰めていく。単なるホラーとは一線を画すシリアスドラマの怪作である。