あんときの井上

汚れなき祈りのあんときの井上のレビュー・感想・評価

汚れなき祈り(2012年製作の映画)
3.7
「祈りとは 心の所作」

やりすぎやベタが偶に傷ですが、この監督は映画が本当に上手です。信じてください。

特に、計算された人物配置は流石と唸る程です。

また、ラストシーンでの車内の長回しズームからの、汚れた土砂混じりの雪がフロントガラスに飛び散る映像は、印象的で意味深なとこが好きです。

みなが等しく汚れているからこそ、みなが等しく祈る祈りに穢れはありません。

神への信仰と愛への信仰。一方は常に信仰を試され、片一方は常に信仰を試す。

アリーナは神ではなく彼女の愛に救われたいのだ。たとえ死ぬことになっても。

だからせめて、アリーナの為に祈りましょう。

人間への信仰とは、人間の所作です。
あんときの井上

あんときの井上