別に上白石萌音がお目当てではなく、純粋に日本の教育と社会の包摂について考えたかったのだけど、全体的にうまくまとまってたと思う。
本人出演ということで素人演技を見せられるのは…と思っていたけど、意外に成立してて驚いた。思い出してみると教員が教壇に立っている間はある意味、素の自分ではなく演技してるのと同じかなと思ったり。
そして、終始、説教やお涙頂戴になったらどうしようかと思ったけど、前半、スルスルとお話が進んでくれたのも良かった。
「みんな違ってていい」ではなくて、みんな違っているのが当然で、そこは結論ではなくてスタートなわけで、そこから違いをどう調和させるか、調和させなくていいのかって話だと思うので、遠足のエピソードなどとっても良かった。
後半、逆戻りで「みんな違ってていい」に着地してしまい残念ではあるけれど、物語の盛り上げとしては仕方がないのと、やはりそれが真理ということで、改めて提示するのは悪くないと思えた。
そして、国分太一のキャラクターからしても、この物語のメッセージとして、「教員も完璧じゃなくていい」があると思うので、そういう意味では「善きお話」をまとめるだけではなく、もっと崩してハチャメチャなことをやっても良かった。
本能とか欲求、欲動の描写があればもっと好きになれた。田口トモロヲと安藤玉恵が不倫してたり、体罰してたり、それが徐々に変化していく姿も見たかったかも。
もちろん、それだと企画が通らなかっただろうし、乙武のメタ的な出来事ありきで今思えばっていう後出しの発想だし、
そもそもこの作品をそういう目で観てたのかよというお叱りは甘んじて受ける所存。
でも、もねりんも石井杏奈も平祐奈も今のほうが断然良いと思えたからセーフ。まぁ朝田帆香は別格だったし、日向ななみも輝いてたけども。