ヤマメ

地獄でなぜ悪いのヤマメのレビュー・感想・評価

地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)
5.0
二階堂ふみはどんどん日本刀を持て


園子温監督の味が剥き出しになっている、筆者が高校生の頃から大好きなキワモノ映画。
キャストは長谷川博己、二階堂ふみ、星野源、國村隼、堤真一など邦画界のアベンジャーズのような顔ぶれ。
その並びに恥じない破茶滅茶な映画であることは間違いない。

クールビューティー二階堂ふみは血塗れで刀を振り回す!
元彼にも容赦の無い暴力を浴びせるミツコ(演・二階堂ふみ)のカッコよさには痺れる。

橋本公次(演・星野源)への態度が少しずつ変化していくところは切なくも愛おしい。
恋愛映画ではないが、公次とミツコの恋愛ほど純粋な愛のみで満たされたものはないだろう。

他にも、全身真っ白なスーツに身を包んだヤクザ・池上純役の堤真一は、一瞬龍が如くの新作かと見間違うほどのハマりぶりを見せている。
大の大人が「全力歯軋りレッツゴー♪」と歌って踊るシーンはコミカルすぎて恐怖すら感じる。
血溜まりの中を少女がスライディングする光景も悪夢のよう。

そして主役の長谷川博己も素晴らしい怪演を披露している。
個人的に長谷川博己さんは奇声を上げる役を演じれば右に出るものはいないと感じているため、今回の映画狂人、平田純の役は完璧であった。
血塗れになりながらカメラを担いで、ヤクザの抗争を高笑いと共に嬉々として撮影する姿は狂気を通り越してコメディになっている。

とにかく星野源がしぶとい良作。
しかし血がドバドバ出る多少のグロ要素や、少量とはいえアウトレイジ的なゴア要素もある為、グロ耐性の無い方は気をつけた方がよい。
FUCK BOMBERSの名を叫びながら爆走する大人に俺もなりたい。
ヤマメ

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