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ハナ 奇跡の46日間のCinemanのレビュー・感想・評価

ハナ 奇跡の46日間(2012年製作の映画)
5.0
『ハナ 奇跡の47日間』
チョン・ジェウン監督
2012年公開 韓国
鑑賞日:2023年4月6日 u-next

1991年の世界卓球選手権に南北が統一して「チームコリア」として出場することが決まったのは大会開催の47日前のこと。
その短期間で生活習慣がまったく異なり反目していた両国の選手たちの間でおこる様々な問題を乗り越えて世界最強の中国チームに挑む物語です。

北朝鮮は金日成政権で韓国は盧泰愚政権で南北会談が開かれる10年近く前。両国の人が接触するとスパイ容疑をかけられるような時代です。

政治的思惑から急遽南北合同チームを作ることになり、
両国の選手たちが和気あいあいとなり一致団結し始めたら引き離そうとする北朝鮮のやり方には憤りを感じます。
本作品は両国間の過酷な現実を訴えるのではなくその中で頑張りぬいた選手たちの間で起こった実際のエピソードをもとに描かれた青春映画の傑作です。

【Story】
1961年千葉で開催された世界選手権は韓国と北朝鮮の統一チームで出場することが決まった。
初めての日本に浮かれる韓国の選手たちとまるで軍事教練のように規律正しく練習する北朝鮮の選手たち。
韓国の選手がジョークを言っても北朝鮮の選手には通じず両国の選手たちはピリピリするばかりだった。

朝の走り込みで偶然一緒になった韓国のジョンファ(ハ・ジウォン)と北朝鮮のプニ(ペ・ドゥナ)は統一チームは中国には勝てないとTVで報道されているのを見て一致団結して試合に臨むことを目標にするようになった。

プニとダブルスを組んでいる若手実力ナンバー1のスンボク(ハン・イェリ)は生まれて初めての海外試合に緊張してミスが連発する。
このままでは負けが見えているのでジョンファとプニがダブルスを組むことになる。
最初はぎこちなかった2人も息が合うようになったことが功を奏し南北を超えてチームも一丸になり始めてきた。

ベスト4戦を控えてとつぜん体調を崩したプニをジョンファが発見して病院に連れて行ったことにより大事は起きなかったがプニの体調は思わしくない。
チームが和気あいあいとし始めたこと北朝鮮の監視兵たちが密かにメンバーたちの荷物検査をした。
北朝鮮の選手たちの荷物の中に韓国の食べ物やお土産があったり他国のコーチの名刺が出てきたり、選手間の恋愛が生まれていることなど、北朝鮮の規律を破ったとして統一チームは解散させられてしまった。
翌日、決勝戦の日。
南北一丸となって全員で決勝戦に臨みたいと大雨の中ジョンファたち韓国の選手全員が地べたに座って監督に頭を下げた。
選手たちの必死の思いを受けた監督は全責任は自分が負うと決め北朝鮮の選手たちを連れて決勝戦へと向かう。

最終戦は強豪中国。
ジョンファとプニのダブルスに全てがかかった試合が始まったのだが・・・

【Trivia & Topics】
*1991年に千葉県で開催された第41回世界卓球選手権に史上初の朝鮮半島南北統一チーム『コリア』が出場した実話を元にした作品です。

*ハ・ジウォンとぺ・ドナの特訓。
両女優は卓球選手を演じるため実際のヒョン・ジョンファさんの指導の元で撮影までの6カ月間過酷なトレーニングを積みました。

【5 star rating】
☆☆☆☆☆
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