ぬーたん

桜、ふたたびの加奈子のぬーたんのレビュー・感想・評価

桜、ふたたびの加奈子(2013年製作の映画)
3.5
フィルマ評価低いのに私は結構良かった。ってやっぱ私は天邪鬼かーい!まあ、観る前からかなりハードル下げてたから、意外に良かったじゃん。となったわけで、色々と問題は多し、だけどね。
2013年作品。原作は知らないが、原作とはかなり設定を変えてるみたいだし、ホラー的要素も減ってるのかな?ホラーという感じはせず、テーマでもある『輪廻転生』と救いを求める薄幸な主人公の悲しい物語、と言う感じ。
主役の容子は広末涼子、うーん、上手かったなあ。
ツンツンした役が多いヒロスエが愛情溢れる母親を熱演。愛情が溢れて不気味な行動に。それはもはや犯罪に近くなり、周囲の人たちが温かい人ばかりでどうにかクリアした、という、現実的ではない部分も。
夫に稲垣吾郎。この夫婦はイメージ的にフワフワしたつかみどころのない雰囲気で、こういうテーマには合っているかもしれない。吾郎ちゃん、アップの時の決め顔がややウザい。
祖母で古本屋のオーナーに江波杏子。2018年に亡くなった。『娼年』をつい思い出してしまう。何で最後にあんな役で出演しちゃったんだろう?江波杏子の遺作があれだなんて、残念というか面白過ぎるわ。古本屋の奥で知恵の輪。久し振りに知恵の輪をやりたくなる。
輪廻に合わせて輪とか丸とかが頻繁に出て来る。そしてタイトルの桜。ただ桜を映す。そこから何も始まらなくても。桜、桜、桜。
音楽が大袈裟で耳障り、と思ったら、なんと佐村河内守のゴーストライター問題のアレか!

加奈子が幼くして交通事故で亡くなる。これが、風見しんごを思い出させる。長女のえみるちゃんは通学途中に交通事故で亡くなった。桜の咲くころだった。
加奈子という名前。字は違うが、私の名前もカナコ。だから親近感ある。
最後に出て来る男の子がうちの孫に似ている(うちはもっと可愛いけどね)←バババカ
そんなことで、どこか嫌いにはなれない作品だ。ちょっと泣けたしね。
結婚して子供を産むなんて当たり前だった昭和と違い、今は色んな選択肢もある。そして不妊や望まない妊娠や家族の子供についての其々の苦悩がある。その中でも一番不幸なのは間違いなく、子供の死だ。それも自分の不注意が原因だったら、生きる気力もなくすだろう。
救いのあるラストがいい。更にその後がまたいい。
未来と夢がある。映画って、ノンフィクションを除いて、観客が観た後に前を向きたくなるようでなければ、と思う最近は。
作り手の優しさを感じられる、そういう映画がいい。だから、評価はそんなことも加味してる。
※おやつは、池田食品の焼きカシュー(超うま!)と六花亭のストロベリーチョコ。ロイヤルミルクティを飲みながら。
※昨日の夕飯は、牛肉ソテー・越冬キャベツと新玉ねぎのソテー添え。柚子明太子、かま栄の揚げたてかまぼこ(枝豆入り・ひじき入り、海老入り)
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