クロキ

リンカーンのクロキのレビュー・感想・評価

リンカーン(2012年製作の映画)
4.5
今の時代宗教を除いて真の意味で神のように慕われていると評される人物ははたしているのか。

アメリカにおいて最も過酷な時代、神のように慕われていたのがリンカーンである。

確かに神のように慕われている。彼が喋りだすとそれがジョークであってもすべての人々が口を閉じ耳を澄ませ言葉を聞く。

一方で家庭の中ではヒステリックな妻と戦争に参加したがる息子の中で普通の父親と同じように思い悩む。

カリスマ性溢れる人物である。行動力、思想どれをとってもそれを表している。しかし彼の表情と少し猫背な姿勢を見ると想像をはるかに超える重荷と早くに子供を亡くした薄幸で年以上に老けて見える。劇中でもこの1年で老けたと言われている。

無理もない。多くの犠牲者を出した過酷な時代である。その中で信念のもとリンカーンは戦争終結とすべての人々の自由のためノロマと言われようが歩みを止めない。

そして英雄は短命ということを身を以て表す。


ダニエル・デイ=ルイスがとにかく素晴らしい。ギャング・オブ・ニューヨーク以来であったがまったくの別人で俳優としての実力の高さに脱帽した。
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