月虹

中学生円山の月虹のネタバレレビュー・内容・結末

中学生円山(2013年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

馬鹿だった
どうしようもなく馬鹿だった。
中2で舐めてもらいたい、じゃなく
自分で舐めたいにたどり着く変態性。
妄想のくだらなさ、でもくだらないけど想像力の発展性は評価したい。

そこらの中学生なら
もし授業中にテロリストが教室に侵入してきたら……くらいで終わる。やがて成長して良くも悪くも凡人になる。そしてこの映画を観て中学生だった頃の自分を少し思い出し、少しだけ懐かしく思いながらも、やはりくだらなさに呆れてしまうのだ。

だが、クドカンは違う。
妄想トレーニングを続けて自己鍛錬を重ねた結果がこの映画だ。
円山の妄想を現実にする妄想を現実に映像化して作品として世に出した。妄想を現実に存在させてしまったのだ。リアル円山なのだ。馬鹿なのだ。
ラストシーンで円山は大勢の機動隊員がいる中で届いたことを言うのに躊躇していた。当たり前だ。しかし、そんな映画を堂々と自分の名で出してしまう。それはすごい。常人には真似できない。
アホな作品作るなあと前から思ってたけど、ここまでくだらないと笑うしかない。この吹っ切れたくだらなさに感嘆した。


映画は別に高尚なものではない。市民の娯楽なのだから。感動する作品や重いテーマの映画も好きだけど、アホ全振りの作品があってもいいよねって。そういう作品をもっと素直に楽しめるように、心の柔軟性をもっと高めていきたいと思った。
月虹

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