竜平

ライジング・ドラゴンの竜平のレビュー・感想・評価

ライジング・ドラゴン(2012年製作の映画)
4.0
文化遺産・十二支首像を巡るミッションにトレジャーハンター「アジアの鷹」とその仲間たちが挑む。ジャッキー・チェン監督・製作・脚本・主演で贈るアクションアドベンチャー映画。

じつはジャッキーが「アクション引退」をがっつり宣言した作品。で、ファンとしては見逃すわけもなくバッチリ劇場へ足を運んだ思い出。一応アクション的なことは今現在もまだやってくれてるけど、ここまで自身が体を張ってのスタントだったりアクションだったりは今作で最後、という意味合いだったのかな。監督も製作総指揮も自分でやってるし、ジャッキー本人の思い入れみたいなのを強く感じる。そこらへんありきの終盤のカメオ出演とかも見もの、というかこれは見終わった後でぜひ調べてみてほしいところ。そんなこんなでジャッキー扮するトレジャーハンター、通称「アジアの鷹」が活躍するシリーズ、これは『サンダーアーム/龍兄虎弟』『プロジェクト・イーグル』と続いてきての第3弾、なんだけどまぁそこは知らなくても問題ない事実。アジアの鷹と言えば、の懐かしのガム芸ね。あと前2作と比べると出てくる道具がめちゃくちゃハイテクになってたり、って前作から21年ぶりだしそりゃそーか。いやしかし今作でもまた様々なシチュエーションでの多彩なアクションを堪能できる。ローラーブレードスーツによる逃走劇に始まり、屋敷の潜入劇やジャングル、あと個人的にお気に入りなのが贋作製作所?でのカメラを利用しての攻防、ここらへんのユーモアはマジで見事。で終盤の展開なんかはジャッキー・チェンという男の生き様がダブるような、そんな主人公の姿に思わず目頭が熱くなる。エンドロールのNG集で笑いと同時に実際の過酷さが見えるあたりも一興、かな。

改めて見て、ストーリーに何か深いものを感じるかと言われたらそうでもないんだけど、前述したようにジャッキーが「最後のアクション大作」という覚悟で製作したこと、これまで素晴らしいものを世に出し続けてきたアクションスターが自らのスタントに一旦の終止符を打ったという事実などを加味すると非常にグッとくる、そんな一本。
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