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ヒッチコックのharuのレビュー・感想・評価

ヒッチコック(2012年製作の映画)
3.5
私たちの最高傑作。

すでに数々のヒット作を生み出していた巨匠ヒッチコックは、エド・ゲイン事件を元に書かれた小説「サイコ」の映画化に取り掛かろうとしていた。ところが「マザコン殺人鬼」に難色を示すパラマウントから予算が下りず、自費で製作することに。さらに妻アルマに浮気疑惑が浮上。追い詰められたヒッチコックに、エドの幻影が語りかける。

ヒッチコックの最高傑作と名高い「サイコ」の舞台裏。
思ったより「サイコ」ネタは少なかったですが、アンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレンという熟練すぎる二人の関係が見応えありました。アンソニー・ホプキンスは特殊メイクでかなりヒッチコックに寄せてますが、すごく似ているわけでもない、けど違和感もないという絶妙なバランスです。本作のヒッチコックは軽快でユーモア溢れる可愛いおじいちゃんって感じで、変態指数は抑え気味。というのもメインはヒッチコック自身ではなく、彼と妻アルマの強い絆だから。というか奥さんこんなすごい人だったんですね…!
家庭内だけでなく、仕事上でもヒッチコックにとって重要なパートナーであった妻アルマ。本作では体調を崩したヒッチコックに代わって、撮影現場を仕切る彼女の姿が描かれます。彼女の実力は周知の事実でもあったのに、彼女自身は表舞台にはほとんど出なかった。すごくもったいないし、時代もあるのかもしれないけど、二人の関係を維持するにはそうするしかなかったのかもと思ったり。
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