円柱野郎

ハッシュパピー バスタブ島の少女の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

少女の目線で変わりゆく世界や状況が描かれ、繊細で力強い物語が美しい。ただ、ニューオリンズのハリケーン被害が着想と思しき世界の水没や、父親との別れなど、かなり過酷な話だとも思う。それを少女なりの理解によって受け入れていく部分がドラマではあるわけだけれど、ただの悲劇とは思わせない前向きさは感じた。ひとえにハッシュパピーを演じたクヮヴェンジャネ・ウォレスの演技があるか。目力だね。
挿入される怪物・オーロックスの存在が、彼女が立ち向かうべき世界のメタファーになっていて、おとぎ話的な作品の魅力を高めていると思う。それでも透けて見せる環境問題や医療分野のリアルな部分が、単純にファンタジーで終わらせないこの作品の世界観を支えているよね。
円柱野郎

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