おめぐ

ハッシュパピー バスタブ島の少女のおめぐのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます


1回観ただけじゃ多分理解できてない部分がたくさんあるのだと思う。
ファンタジー要素があるからか解釈の仕方がいくつもある。
最後のお父さんが燃えながら船に乗って遠くへ行くシーンを見てお母さんも死んだのかな、と。
だから海の向こうに母親を探しに行ったのかな?と感じたり。
また母親を探しに行こうと泳いでるときに拾われる船はなんなのか。意味深なことを言う船にいる人も、船の名前がアップされることもきっと意味があるに違いない。
もしかしてワニの唐揚げを作ってくれたあの人は本当に母親で、あの川は三途の川みたいな生死の狭間のようなものだったのか?
「ここに住む?」っていうのは「あなたも死ぬ?」ってことなのか?
ハッシュパピーはお父さんが死ぬかもしれないって時に「パパが死んだら私も死ぬ」とか「1人にするの?」とかって言ってるから…やっぱりそういうことなのか?
そこでハッシュパピーはお父さんの元に帰るわけで、その途中でオーロクスに1人で立ち向かう。映画のどこかで「勇者は逃げない。死とも向き合う」みたいな事を言ってたから、母親の元から帰るときに覚悟を決めていたのかもしれない。
そう考えるとつじつまが合うようにも思う。

とまぁ解釈の仕方が本当にいろいろあって難しい。

ハッシュパピーは世界は微妙な絶妙なバランスの元に成り立っていると考えてて、だから動物や植物の呼吸、つまり心臓の音を聞くのだけど、だからこそお父さんの死因が心臓疾患であるとこもなんか感慨深いもんがあるし…

最後の語りかけと残りの人が真っ直ぐな道をズンズンと歩くシーン、それからあの音楽が単にお父さんが死んでしまうような終わり方じゃなくて、その先を“生きてる”ように見えるから終わりは気持ちが少し上向きになる。
そんなとこも良くて、泣けてしまった。

不器用なお父さんの分かりにくい愛も、ハッシュパピーが感じてくれて良かったなぁ…。

この世界観はすごく好きだった。
死んでしまったがバットエンドではない。

ハッシュパピーとパパは確かにそこにいました。
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