けーはち

建築学概論のけーはちのレビュー・感想・評価

建築学概論(2012年製作の映画)
3.6
建築士の前に初恋の相手が現れ、家の施工を依頼──大ヒット韓流ロマンス映画、現在と過去を対比させながら15年越しの初恋の結末を描く。両片想いであった2人の古典的勘違い・スレ違い系の学生時代のエピソードに加え、現在の時間軸でも男の方が近々結婚・渡米予定&女の方が余命幾許もない父親を看取っているという、間の悪いスレ違いを発生させて悲恋を演出。しかもただスレ違っているだけでなく、2人の故郷、学生時代からの専門というものに対する向き合い方はことごとく対照的。

男:学生時代の専門から初志貫徹し建築士になり母を置いて渡米
女:専門の音楽を捨てるも故郷へ出戻り父を看病しピアノ教室を開く

性格の違いや行動様式の違いから、「初恋の2人が15年越しにくっついたらエモいが……そうはならんやろな」という想定をさせるには十分すぎるほど十分で、だからこそそれを美しい思い出として昇華して終わらせる良作だと思う。