このレビューはネタバレを含みます
【 グレープ・グループ 】
この話は葡萄に酷似している。
麻也子が葡萄の核となる幹とすれば、あの三人の男たちはその幹に実る果実。つまり、ある一定の範囲(グループ)に存在する人間とは、何かしらの接点があるということ。意識的にも無意識的にも。
今回で言うと接点は、麻也子というわけだ。もちろん男たちはその事実を知らない(麻也子も)。それにしても、元カレ、旦那、今カレの無意識の三角関係は“ヘビー”な設定である。これは“知らない方が幸せ”の典型的な例ではなかろうか。
恋愛や結婚の現実的な側面を観ることができる。最初こそ情熱的でスリリングで最高に刺激的なものだが、次第に…。その様子が観ていてすごくわかる。陽気とも不気味とも受け取れる本作の音楽も、まさにこの物語にふさわしく、素晴らしい。
最後のキリコの様子を見ると、あの赤ちゃんは麻也子の元旦那との子どもではないかと私はみている。当のキリコも知らないという子どもの父親を麻也子ももちろん知らない。友達が知らないところで元旦那との子どもを授かっていたのだ。
このような“グレープ・グループ”とは何も、この映画だけの現象ではないと思っている。
p.s. 南果歩さんが美しい。