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劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇の教授のレビュー・感想・評価

劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇(2013年製作の映画)
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相変わらず面白い、と思いつつ。
一方でものすごく退屈に感じるところがある。
これまでのシリーズの集大成にして、終結に向けての「前編(これが煩わしい)」。
このシリーズにある不穏感は嫌いではないし、相変わらずの「陰謀論」ゴッタ煮の世界の終末に引きずり落とされていく感覚は悪くないと思う。
間の抜けたギャグ演出も「敢えての」感じが悪くないと思う。
毎度毎度、主演の2人がとにかく物語を牽引していくので、安心して見られるというのは大いにある。

だが…やっぱりよくわからない点が多いのも事実。当麻の左手のスペックだが、あの「こっちへ来い」という死者の囁き的な演出なども含めて。必要な説明がまるでされないので「だからなに?」という気持ちがどうしても芽生えてしまう。

さまざまな国籍の人々が出てくる割に「セカイ」と「白い女」とされている純の、なんで日本人なんすかね?というのが気にならないわけではないし、そこも物語の設定にうまく組み込めた気がするのに放置されている。

ただ、そういう不備以上に、物語がとにかくウェットな方向に転じていく点。特に呆気なく死んでしまった野々村係長周りの終盤が、情緒たっぷりな割には、シーンとして淡白過ぎるし、安っぽくもある点。
それが「シンプルプラン」という壮大な計画の攻防とは微妙にズレて展開している点。
などでどうしてもストーリーが散漫になっている点。

とってつけたような吉川刑事の復活も。毎度毎度リセットされテレビドラマ然としていく展開と。
登場人物の多さに対してあまり配慮が行き届いてるとは言えない演出の不備がどうしても目立ってしまって、面白くない、とも思ってしまう。
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