【2013/10/2:TOHO渋谷】わりと幼い頃から「血縁なんてものはそれ以上でも以下でもない」という考えをもつわたしでさえ、強く揺さぶられるテーマだった。福山家のいけすかねー感がフォーカスされているけど、リリー家の問題もちゃんと描かれており、終始どちらかに寄ることない視点で観ることができた(けどリリー家に寄せて観てた人が多いようで驚いた)。福山パパだって坊やを愛して頑張ってたし、あんなこと起きなければ幸せだったはず。けど、平穏な世界の一歩向こう側には予想もつかない制御不能な世界があって。その中での気付き。やっと立てたかもしれないスタートライン。素直に感動しました。
スピーディに情報を盛ったオープニングアバンから事故発覚の件まで余計な寄り道せずサクサクいくのもいいし、カメラを使った「視線」の見せ方もいい。「パリ、テキサス」的父子並行シーンも好き。そして何より福山雅治の浮き感。これがないと成立しない。良いキャスティング。…しかし、事故じゃなく事件だった件は急にフィクショナルな領域に持ってかれてちょっと違和感。あと、終盤の良いシーンで福山パパがギターを手にするんだが、やっぱこの人がギター持ったら「スター福山雅治」になっちゃうよ〜〜と、やや醒めた。(これ観た直後「凶悪」を観たが、順番逆じゃなくて良かった。逆だったら、「みんな！早くリリーさんから逃げて！この人悪い人だから！！」って思ったかも。)
