てつ

そして父になるのてつのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
5.0
2度目の鑑賞。最初に観たのは映画館だったから、初めてみる気持ちでみた。
事件としては不幸だけど、映画を通して、これほど親子や家族について考えさせられることはなかった。
子どもは親の所有物ではないし、子育ては一筋縄ではいかない難しさがある。
お金持ちだから幸せだ、とは必ずしもいえないことを教えてくれた。福山パパの、不器用にもがく熱演がとても胸に響いた。

2家族の様子をある程度しっかり見せて対比させたこと。
贅沢だけど淡白な福山家、稼ぎは少ないけど温かみのあるリリー家。
観客には、(福山家、なかなか幸せそうだな)と思わせておいて、ずっと見ていくと案外そうでもないことに気付く。
最終的には「こっちで全部引き取ってもいいんですよ」と言わせるまでになっている。
なんだろう、この感じ。
ストーリーの中心がなぜ福山家なのか、ずっと観客は考えさせられている。
そして、福山パパ自身が結論を得たとき、ようやく「そして父になる」のタイトルが意味をもってくる。もう、泣きっぱなしだった。
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