きりま

そして父になるのきりまのネタバレレビュー・内容・結末

そして父になる(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

そして父になる
期せずして「そして」シリーズ第2弾。
今年3本目の是枝監督作品。
福山雅治が主演なのは分かっていたけれど、こんなに個性のあるキャラとは知らなかった。完璧なハマり役。プライドの高いインテリ。
思ったことはたくさんあるけれど、1番は「子育ての親と子」。露骨に野々宮家と斎木家が対比されていたが、とにかく斎木家の子育てが"愛"を感じるもので、野々宮家はその逆。取り違えたまま6年育てて小学校にまで入学。事態が発覚した後の両家はどうするのか。そして野々宮良多は父としてどう成長していくのか。今回も是枝監督ならではの自然なセリフ運びと間で、入り込まされた。
終わり方もよい。含みがたっぷり。バッドの方向へどんどん進んでいって、ちょっといいこと(りゅうせいとちょっと心が通う)があって、最後に少し「転」(斎木家と再接触)があって終わる。幸せに暮らしたかどうかもわからない、そもそも裁判がどうなったかも、2人の子達はどちらで生きていくのかという結論も。でもそれでいい。映画は、ストーリーを正しく伝えることよりも、観る人の心を動かすことが大事なのだから。
「パパだったんだよ。出来損ないだけど、パパだったんだよ」野々宮良多
2013★★★★★
きりま

きりま