アキヒロ

クロニクルのアキヒロのレビュー・感想・評価

クロニクル(2012年製作の映画)
3.5
アンドリューは間違いなく高校の頃の俺。
思春期の心の不安定さと、それを超能力に変換させた表現がいい。

内容はほぼスティーヴン・キングの『キャリー』。
もしくは大友克洋の『童夢』や『AKIRA』。
まだ自分の力の操り方を知らない高校生が、
人知の超えた超能力を手にしてしまい、その暴走を描いている。

アンドリューは引っ込み思案で、友達も少なく童貞。
いつも虐められていたが、いとこのマットから誘いを受けパーティに参加。
その帰り道にスティーブ、マットと異音のする深い穴を見つけ中に入ると、緑色に光る奇妙な物体を発見して意識が途切れる。
目覚めると3人は超能力が使えるようになっていた…

アンドリューは母親が病気で、貧困から満足に薬も買えていない。
日頃の鬱屈からか父親はアンドリューに当たり散らす日々。
アメリカで報告されているポルターガイストなどもこういう抑圧下にある思春期の子供には超能力が発現しやすい…みたいな資料をムーとかで読んだ記憶が。

『キャリー』もそうだけど、能力が爆発する瞬間のピュアさにいつも胸が苦しくなる。
「能力の強さ=ストレスの大きさ」でもある。
アンドリューが最後大暴走してしまうのも、やられた方はたまったもんじゃないけど、多くの高校生が「こうやって発散できたら…」と考えてしまうことでもあると思う。
だからこそ、こんなに共感してしまうんだろうな。。
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