みほみほ

マメシバ一郎 フーテンの芝二郎のみほみほのレビュー・感想・評価

3.6
映画シリーズでいう3作目のようなので、2作目を先に観たかったが…兎にも角にも 作品に出逢わせてくれた テレ玉に感謝。

また二郎ちゃんに会えて嬉しい。二郎ちゃんの心の声は健在。被害妄想から悪魔のささやきにむしろパワーアップ。でも なんか分かるなぁ… 声は聞こえなくとも思考が自然と逃げを選ぶ悪循環。

心の栄養と 癒しが欲しくて 二郎ちゃんワールドに入ったつもりが、1作目よりも問題が現実味を帯びててちょっぴり心苦しかった。1作目はお母ちゃんを探しにいく二郎ちゃんって構図が冒険として楽しめる要素が強かっただけに余計なのかも。でも今作みたいなものがあくまで現実だし、好きに変わりはないんだけど。二郎ちゃんがお仕事してるのは凄く嬉しかったけど、普通ならあれではクビだから、そこはあくまでファンタジー。

きっと私の根っこは 二郎ちゃんと変わりないんだ。だからこんなに心の拠り所にするくらい好きなんだ、きっと。

振り返れば人が居るのに、理解されてなくて 独りに感じて 一人で答えを出して 自分の世界に封印する感覚。でもやっぱり人は一人では生きてはいけないし、べーちゃんの最初の台詞にもあったように 何かしらで誰かと関わっていかねばならないし。

自分らしさを語る二郎ちゃん(言い訳なのはよく分かる)に、二郎ちゃんらしさなんて要らないんだよこの際!ってべーちゃんの台詞が刺さった。自分らしさを殺して、変なプライドを捨てるのは柔軟に生きるには本当に大切だ。

それにしても 二郎ちゃんはべーちゃん含め周囲の穏やかな人達に見守られているから幸せだと思う。 自分も辛くなったら 一度立ち止まって、客観視してみる事が大事なんじゃないかって観てて気付かされる。

べーちゃんや叔父さんは何処となく抜けていて頼りない風に見えて、実は男らしく力強くて頼りになって、ちゃんと想ってくれていて… 田舎ののんびり感とお節介な空気感が重なって本当に落ち着く。

自分探しをするなら 自分亡くしをすればいい。この子が居るだけ あんたはましだ。牛乳屋さんのおばちゃん、良い事 言うなぁ。

お願いだから めんたい味をちゃんと仕入れてあげて〜〜!!!!笑

二郎ちゃんの涙はいい。べーちゃんの涙にも泣かされた。合格を本気で喜ぶべーちゃんの想いと、転勤を伝えたあとに二郎ちゃんの感謝のありがとうに対するべーちゃんの表情は 込み上げるものがあった。

有り得ないくらい優しい店長(楽曲も最高) に、かけがえのない一郎の存在。

二郎ちゃんは不器用なようで、実は頭がいいと思うので羨ましい部分もあるけど、あれだけ怪しかった二郎ちゃんがこうして少しずつ変われるのだから、頑張れる場所や挑戦したり冒険をする事は 人間には必要不可欠って事もよく分かった。

こんな温かい静かな町で ペットと一緒に 田舎暮らししたいなぁ。二郎ちゃんのお母ちゃん、ええのう。こんなお母ちゃん欲しい。チキン南蛮食べたい。

今作は涙も加わり、二郎ちゃんとべーちゃんの友情(親戚だけど)がすごく良かった。
そして周囲の優しさ、暖かさ。

なんだかべーちゃんに惚れました。

好きです、マメシバ。
究極の癒し映画。
みほみほ

みほみほ