みゅうちょび

エデンのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

エデン(2012年製作の映画)
3.3
プロットが非常に良くできていて、これは地味ながらかなりの良作だった!

実話を基にした話らしい。

主演のジェイミー・チャンが芯の強い女性を演じていてとても美しい。彼女の美しさもあってかなり話にも引き込まれる。

アメリカの田舎で家族の経営するスーパーの手伝いをするまだ歯列矯正器具をつけている女の子が酒場で出逢った男に拉致され、そのまま売春組織に囚われてしまう。そこでエデンと名付けられる。

この売春組織は、闇のビジネス組織としてかなりきちんと運営されており、毎日朝と夜シャワーを浴び清潔にし、健康診断も定期的に行われ、時には仔猫を与えられたりする。

話は静かに淡々と進み、暴力的なシーンは然程ないものの、完全に組織化された中で淡々と行われる在庫管理のような感じで不要になると処分されてるんだなーと想像できて非常に不気味。

主人公エデンは、その中で、知恵をつけ組織の中に入り込んで行く。もちろんそれは生き抜くため。

この組織の根の深さとか、そこで働く者のちょっとした過去などをさり気ない写真などで表し、エデンが彼らの中にも、ふと人間の弱さなどを垣間見るシーンがあったり、一つ一つの台詞や場面作りが丁寧に作り込まれている。女流監督ならではとも思える繊細な女性の感性なども織り込まれていてエデンの心の動きに共感できる。

エデンのいる場所の管理を任されている若造ボーンと彼女の駆け引きや、そこに芽生えるなんとも言い難い「情」などが繊細に描かれている。ボーンの髪をそっと撫でるシーンにはグッときた。ボーンも必死で生きてる感あったからな…

悪徳警官を演じるボー・ブリッジスを始め、配役も良かった。

エロや暴力など視覚的刺激を求める人にはお勧めできないけれど、じっくり観て欲しい一本。
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