原作小説は未読です。
35年前の映画ですが、あまり古臭い感じはせず、きれいな映像でした。
前にテレビ版(1977年版)を見たことがあるのですが、それに比べると、
映像へのこだわりが見られ、映画らしい作品となっています。
しかし、いかんせん、シナリオにインパクトがないのは否めません。
このシリーズの一番の売りであるオドロオドロしさがまだ確立されていないようです。
旧家に澱む陰鬱な歴史や、見立て殺人などによる猟奇性が見当たりません。
キャラもあまり立っていなくて、
何より殺人の動機に共感できないので特に感動もありません。
トリッキーな密室づくりも、そんなうまくいくかよという感じで、
見ようによっては拙く思えてしまいます。
しかし、上記以外は、よくまとまった作品だと思いました。
金田一役を中尾彬が、ジーンズのチョッキと、
やたら襟の大きなシャツを着て演じているのも注目です。