コブラ

キラー・スナイパーのコブラのネタバレレビュー・内容・結末

キラー・スナイパー(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

フリードキン追悼でポチってたレンタルアップDVDを鑑賞。円盤販売はおろか配信もなし。傑作なんすけどね。

ミニマム•クライム•ブラック•コメディ。
底辺レッドネッカーの伸るか反るか、もあるけども詰まるところは一人の少女の自立の話。

その少女(と言っても成人しとるが)、ドティを演じたジュノー•テンプルがとにかく良い。自分はアホだから、と兄父に全てを委ねていた彼女が最後には自ら選択し行動する。銃を構えるドティの顔は登場した時とは全く違う。黒いキャパスに落ちた一点の白色の様なキャラだったのが、ラストには清濁飲み込んだ自立した女性として立っている。演出も演技も見事過ぎるよ。

ドティ以外の登場人物は全員が人非人なのだけど、その末路は彼女にどう接していたかで決まる。兄貴と親父はドティを可愛がっている様に見えるけど、彼女の意思は尊重せずコントロールする。継母は酷い人間ではあるんだけど、ドティを対等の人間として女性として接する(様に思える)。
結果、兄貴と親父は死んで継母は報いは受けつつサバイブ。

そしてジョー。
ドティを担保•質種として、所有物としてしかみなかった男の末路は決まりきっている。直接描写はないがドティはトリガーに指を掛けた。
にしたって今作のマコノヒーの漆黒感はすごいよ。チキンフェラは目を覆いたくなる酷い場面だけど目が離せん。

そして、これを重たくも深刻にもせず、黒い笑いある作品に仕上げるフリードキン。この撮影時76歳か、、。尖り過ぎてない?
同じくトレイシー•レッツ原作の「BUG」は未見。U-NEXTにあるから観てみよう。

「キラー•ジョー」はマジでインタビューとか特典映像付けて邦盤出してください。
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