イッテルビウム中田

リトル・マーメイドII Return to The Seaのイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

5.0
メロディはディズニープリンセス初の実子である。見た目はそのままだが、母親としてのアリエルを垣間見ることができる。

前作で陸への強い憧れから人間になることを選択したアリエルとは対照的にメロディは海に心惹かれる。

親の心子知らずと言うべきか。トリトン王の言いつけを聞かなかったアリエルと同様に娘のメロディも「海に出るな」との言いつけをまったく聞かない。
陸への憧れが強かったアリエルとはやや異なり、メロディの場合はアリエルへの反発が印象的だった。

本作の見どころはアリエルが人魚に戻るシーンだろう。一時的なものであるが、自由に海を遊泳するアリエルを見ると実に感慨深い。

物語の結末はぶっちゃけ前作となんら変わらない。海と陸が物語開始時の出来事により分断されたが、メロディの活躍(成長)によって元に戻った。だが、それがいい。

この時期に製作されたディズニーの続編ものは軒並み評判は芳しくないが、
〝Happily ever after(そしていつまでも幸せに暮らしましたとさ)〟の続きが観たい、もう少しだけその作品の世界に浸らせて、と願う人たちにとっては堪らない作品なのではないだろうか。
フランダー、セバスチャン、それにスカットルといった懐かしの面々の活躍が見れたことは真に眼福である。