こつぶライダー

箱入り息子の恋のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

箱入り息子の恋(2013年製作の映画)
3.6
色々と語りたいことがありますが、端的に伝えると「大変な怪作だったな、、、」と言いたい。
純粋ではあるけど、見方を変えると危ない純愛だよね。。。

まず、星野源さん&夏帆さんのW主演ということで、どちらも大変ハマり役でした。

星野さんは、35歳、独身、実家暮らし、一人っ子、市役所勤め、趣味は貯金とゲーム……しかもペットがまさかのカエルときた、ヤバめな男役。
ははは、役満です。
もはや絵に書いたような独身貴族。
ほぼうちの兄貴を見ているようで怖かった。
(実家は出ております。ペットはミドリガメです)

そんな彼を不憫に思う両親を平泉成さん、森山良子さんが務めます。
実直な両親ながら、彼をホモと疑ったり、せっかく実った恋を結果的に応援できない母だったりと、非常に惜しい。

平泉成さん演じる父親が言います。
「あいつは親離れ出来ないと思っていたが、オレらが子離れ出来ていないんだ」
その言葉、全くの正論である。
世間の親達に聞かせたいわ〜。

そして夏帆さんサイド。
視力を失った美しく純粋な女性を見事に演じました。
とにかく笑顔が素敵!
最近は汚れ役も多い彼女ですが、今作では若いからか透明感があって良い。
やはり演技派女優なんだと改めて確認。
きっと永く女優をやっていくと思います。

彼女の両親には大杉漣さん、黒木瞳さんが。
黒木瞳さんは、娘の恋を応援する優しいお母さんって感じで素敵でした。
こんな母ならどんだけ良いか。
社長である夫を支える一方で、内心は反発したい気持ちがあるのを抑えている様も上手かったです。

対する大杉漣さん。まさに厳しい父親像を熱演。こういうオヤジいるわ!けっ!
てかさ、目の不自由な娘を見合いさせて、どれだけ相手の気持ち無視して推し進めるんだ?
しかも、ようやく好きな相手見つけても邪魔してくるしな。
独りよがりって感じで嫌だったわ。
(大杉漣さん、すみません)


内容は……

カエルの鳴き声とか、牛丼とか、結構泣けるシーンがある。
吉牛で泣く夏帆さんにはもらい泣きしたが、星野源さんは、、、
ごめん、キモかった(笑)

あと、個人的にヤリマン言われてた同僚の方が良かったです!!!
はじめは「ヤバいやつ出てきたじゃん」と思ったのに、予想を超えて良い人だった。
人はギャップに弱いんだと知りました。
先入観やーよー。


純粋な男女の恋愛と見せといて、お互いヤバめな家庭のヤバめな人間同士の純愛でした。
でも、最初に夏帆さんが言っていた
「お互いのフィーリングが良ければ」
ってのが一番大切だよね。やっぱり。
怪我して入院してるのに、点字で手紙書くとか優男ではあるんだよ。
うん、まぁキモイけど(笑)
星野源さん、カエルに似てました。
もはやカエルでした。ゲロゲーロ。

お見合いの席で、向こう側の父親に面と向かってあれだけ言えるなら大した男だと思うけどな!

色々経験してきた身なので、親サイドにも星野源サイドにもなれるのだが、やはりあそこまで過干渉な親にはなりたくないし、子としても良い年して親に首突っ込まれる恋愛はしたくないよねぇ。
シュールな感じで良かったです。
こつぶライダー

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