円柱野郎

箱入り息子の恋の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

箱入り息子の恋(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

親の代理婚活が話の切っ掛けではあるけど、主人公の出会いがそれとは関係ない時点で用意してある事に好感。
つまり主人公にとっては親が持ってきたお見合いよりも先に運命をつかんでいたようなもので、これで受動的なイメージが薄らいでいる。
その先は主人公の意志で進むことだし、恋をした主人公を応援したくもなるわな。

見た目からくる消極的そうな部分やアガリ症という主人公のキョドり具合を、星野源は良い演技で見せてくれたね。
喋れば主張するし対立も辞さない強さもありつつ、どこか変でも好感のもてる良いキャラクター。
ケースの中のカエルが最初何を意味してるのかと思ったら、主人公の心情に重ねてきた時にはやられた。
這い上がろうとするカエルの姿と、力の限り叫ぶ主人公の姿。
熱情と共に走りだし…ここでまたカエルの伏線には笑ったなあw

全体的に丁寧な人間ドラマだけど、その流れの中で随所に入る笑いのタイミングが絶妙で楽しい。
一方、正直言うとベッドシーンは無いか、もっと匂わすくらいで良いかと思う部分もあったんだけど、恋愛映画となるとやっぱりこう描かないといけないモノなのかね?

それにしても恋する女性が盲目という設定は、なかなか。
言葉に出して伝える、そして触れ合うという、主人公がそれまでに避けたり避けられたりしていたことを要求される相手だもんね。
主人公を見た目で判断しないという要素も大きいか。
この辺は見合いのシーンで語られてもいるけど、同情を要求するわけでもなく、純粋に人の関わり合いのための盲目設定は上手いと思った。
円柱野郎

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