茜

チャイルドコール 呼声の茜のレビュー・感想・評価

チャイルドコール 呼声(2011年製作の映画)
1.8
オチを出汁にして曖昧な設定を誤魔化そうとしているように見える…。
辻褄が合わない点が多く、鑑賞後に様々な「?」が浮かぶのですが、それも結局最後に明かされるアナの設定でどうにでも言い訳が出来そう。
その逃げの姿勢が重厚なテーマに伴っておらず、釈然としなくて好きになれないやつでした。

展開自体はスリリングで、一体何が起こるのかというドキドキ感は面白いし、物語のテーマ自体も重くて深い。
虐待という目に見える暴力だけではなく、過剰な愛情も子供の心を締め付ける行為になりうるのだという警告。
親と子供という関係がいかに複雑なものなのかという点についてはリアルに伝わってくるものがあった。

だからこそファンタジーの如く何でもありになってしまう纏め方が非常に残念で、ここで一気に物語の輪郭がぼやけてしまう。
何が現実で何が非現実なのかという境界が曖昧になることで、折角の重たいテーマすらチープになってしまいそう…。
「愛情でも子供の心は傷ついてしまう」という切り口はとても良いものなのに、つまらないサスペンスにでもありがちなオチで纏めるのが何だか勿体ない。
茜