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グッバイ・ファーストラブのkoheiのレビュー・感想・評価

グッバイ・ファーストラブ(2010年製作の映画)
4.8
純愛を描く極めて純粋な恋愛映画なのだけど、描き方がめちゃくちゃドライで最高に面白い。10代半ばのカップルがセックスして喧嘩して離れてデート行ってセックスして喧嘩してしまいには別れて、それからまた幾年月経過してまだ愛は枯れ果ててなくて…。この一個一個のつなぎが唐突なのがよかった。あまりに愛おしい省略があって3回くらい爆笑しそうになった。家と芸術の話、光と闇の話もいやらしくなく感覚的に響く。似たような題材のロメール『冬物語』よりもよっぽど人間を描けてると思うし、特に男性の描き方が好きだった。大前粟生『きみだからさびしい』を読んでいたので似た弱さと、「好き」を取り巻く人それぞれグラデーションのある感情の種類を感じた。共感とは違うベクトルで心地よかった。
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