Jimmy

ジャーニー ドント・ストップ・ビリーヴィンのJimmyのレビュー・感想・評価

3.3
ジャーニーというバンドが懐かしくて、観てみた。
このバンドを初めて聴いたLPは『ライブ・エナジー』と『エスケイプ』を前後して、そして過去作『インフィニティ』、『エヴォルーション』、『ディパーチャー』を聴きまくった。
唯一、生で観たジャーニーは「エスケイプ・ツアー」(1981年7月29日、新宿厚生年金大ホール)だった。来日メンバーは、ニール・ショーン(g)、スティーヴ・ペリー(vo)、ロス・ヴァロリー(b)、スティーヴ・スミス(ds)、ジョナサン・ケイン(key)。この日はニール・ショーンが「Big Surprise!」と言って、アンコールでサンタナのゲスト演奏あり。

さて、この映画は、フィリピン出身のアーネル・ピネダなるヴォーカリストがジャーニーに加入する前後を捉えたドキュメンタリー映画だった。
ニール・ショーンがひたすらYoutubeでヴォーカリストを探していて、「ジャーニーのコピーバンドのヴォーカルならすぐに歌えそうだが…」と言いながら様々なヴォーカリストをネットで検索、そしてフィリピンのマニラ在住のアーネル・ピネダなる男を見つける。
かなり探すのに根性が入っていた…(笑)

素人ヴォーカリストのアーネル・ピネダをアメリカに呼ぶニール・ショーン。バンド側は「そもそも英語話せるのか?」などと訝っていて、アーネル側は緊張しながらアメリカに行く。そしてバンドメンバーの前で歌う。1日、2日、3日と段々良くなる声…。そして、バンドに採用されるのだが、ここでバンドメンバーが要求するのは「やはり、あのスティーヴ・ペリーに似た歌声」である。これは厳しいし、アーネルを思うと残酷である。
過去のヴォーカリストに似せる歌い方……つまり、これはアーネルの個性を消すことなのである。
それでも、アーネルは一生懸命に歌う。スティーヴ・ペリーに似た声で。
そしてアーネルを含めたバンドはアメリカツアーに出る……。
フィリピン公演での「♪Don’t Stop Believin’」は素晴らしかった。

個人的には、1981年発表のアルバム『エスケイプ』が最高傑作だと思っており、その次に発表された『フロンティアーズ』は初めて聴いた時に「いかにも売れそうなアルバムだけど、自分はちょっと…」であり、『フロンティアーズ』を最後にジャーニーを聴くのを止めてしまった。

今回、久しぶりにジャーニーの音楽をドキュメンタリー映画で聴いたわけだが、『フロンティアーズ』後も紆余曲折あったのも初めて知った次第。
そして、まだジャーニーというバンドは現役バンドとして活躍しているのを見て、不思議な感覚に捉われた。

ニール・ショーンの「運指が休むことなく続くギターソロ」は、さすがに見事!
Jimmy

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