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ジャーニー ドント・ストップ・ビリーヴィンのくりふのレビュー・感想・評価

3.5
【ふつうの男の旅路】

ジャーニーは80年代、好きでしたがアルバム買うほどではなく、いつしか離れました。だからボーカルがフィリピン出身アーネル氏に変わったことは本作で知り…驚いた!

劇場行きたかったなコレ。ドキュメンタリーとしてそう深みあるものではなかったですが、共感できるエピソードと音楽が並んで最後はホロリ、でした。

EVERYMAN'S JOURNEYという原題がいいですね。まずはアーネル氏本人のことを指しているのでしょうが、他の含みや広がりも感じられます。アーネル氏の心情がけっこう伝わる作りですが、監督がフィリピンの女性で、彼に近づきやすかったことは大きいのでしょうね。

子供の頃の路上生活など厳しい過去語りもありますが、露悪的なところまでは踏み込まぬさじ加減がいいです。

また、歌手になる夢が基でも「生活のために歌う」経験が、あの歌声を鍛え上げたんだろうな…と想像できました。

オーバーナイト・サクセスのきっかけがyoutubeってのがいかにもで、ちょっと信じがたいですが(笑)、ネットでの出会いがかえって偏見を超える…という確かな事例でもあるわけだ。こういうこと、もっと出て来ると楽しいな。

ジャーニーのようなクラスでも、ツアーのスケジュールがかなり厳しいことは、ちょっと驚き。気候の違う場所でこれじゃ、慣れないアーネル氏が体を壊すこともわかりますね。本人もコメントしていましたが、それで薬漬けになったら何のためのJOURNEYかわからない。

自国で奥さんと子供が待つEVERYMAN、その感覚のまま歌い続けて欲しいなあ、としみじみ思いました。

小柄なアーネル氏がジャーニーのメンバーと並ぶと、ハリウッド映画でのジャッキー・チェンみたいで微笑ましかったです(笑)。

み終わった後、さっそくCDを借りてきて…聴き惚れました。

<2014.2.28記>
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