森村バイヲ

凶悪の森村バイヲのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
4.5
実際の事件を下敷きにしたストーリーを、フィクションの記者に追わせるという構成で作られた作品。
通時的な主人公の現在時間(生活)の合間に差し込まれていく犯人の過去記録(事件、出来事)という構造は、記録に侵食されていく主人公の生活とそこに現れていく感情を惹き立て、主人公の持つ犯人への怒りや恐怖、そして快楽という感情に共感させることに成功している。
そしてそれがあるからこそラストでのカタルシスが盛り上がり、それが冷め止まぬまま退場を強いられる快感が、強烈な余韻として響く。
俳優たちの怪演も素晴らしい。
森村バイヲ

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