コーカサス

乱暴者(あばれもの)のコーカサスのレビュー・感想・評価

乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)
4.6
“不良映画のバイブル”

バイクレースのトロフィーを盗んだジョニー(ブランド) 率いるバイカーズが田舎町に乗り込むと、そこへ敵対するバイカーズも現れ、トロフィーの争奪戦が始まった。
ある夜ジョニーは、敵のバイカーズ一団からキャシー(マーフィ) を助けるが、町の住人は、ジョニーが彼女を暴行したと誤解し、集団でリンチを加える。

保守的な古臭い良識を盾に、いざとなると平気で暴力を辞さない田舎者と、反抗的でありながら傷付きやすいナイーブな若者の対比は、ある意味衝撃的だ。

あなたにとって最も影響を与えた不良映画とは?…と聞かれたら、迷わず愛するジェームス・ディーンの『理由なき反抗』を挙げるだろう。
さらに若き日のエルヴィスをとらえたドキュメンタリー『エルヴィス '56』は、今も変わらない私のバイブルであり、マクレガー社製の赤いスイングトップに、Lee 101 ライダースを身に纏ったジミーと、ロイヤルクラウンポマードで髪を撫で付け、黒人ファッションで身を固めたエルヴィスはまさに私の手本であった。

そして『乱暴者』のマーロン・ブランドもまた然り。
Schottのワンスターとロールアップされたリーバイス 501XXの出で立ちでバイカーズファッションをクールにキメた若き日のブランドは兎に角カッコよく、その反抗児の象徴的スタイルともいえるブラックレザー・ジーンズ・エンジニアブーツの“三種の神器”は、当時も今も筆者を含むアウトサイダーたちの見本である。

29 2022