櫻イミト

乱暴者(あばれもの)の櫻イミトのレビュー・感想・評価

乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)
3.5
史上初の暴走族映画であり、すべての不良カルチャーの始祖となる記念碑的作品。マーロン・ブランドのライダースとリーバイス501のスタイルは、作業着だったジーンズを普段着とする流行の先駆けとなった。さらにジェームス・ディーン、エルビス・プレスリーらに大きな影響を与えロックファッションへと繋がっていった。

ジョニー(マーロン・ブランド)が率いる背中にどくろマークの暴走族Black Rebel Motorcycle Club (BRMC)は、ある日バイクレースの会場に乗り込みトロフィーをくすねる。 近くの酒場に入り大騒ぎしている中、ジョニーはウェイトレスのキャシーに一目惚れする。不器用に口説いてみるがなかなか受け付けないキャシー、実は町の保安官の娘だった。。。

BRMCのドクロの革ジャンが、漫画「クローズ」の武装戦線そのものだった。当時すでにバイカー集団ヘルズ・エンジェルス(1948結成)が悪名を馳せており、似たような反社会集団が主役ということへの反発から低予算で作られたとのこと。映像も内容も小じんまりとした仕上がりだが、ブランドの演じる不器用で孤独を抱える不良青年像は当時としては画期的だったと思う。若いころのマーロン・ブランドがいかにカリスマだったかを再認識できた。ただ、20歳という設定にしては、当時29歳のブランドは貫禄がありすぎた。

現在につながるサブカルチャーの原型として、観ておくべき聖典的作品。
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