スギノイチ

乱暴者(あばれもの)のスギノイチのレビュー・感想・評価

乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)
3.0
映画で初めて「暴走族」を描いた映画らしい。
暴走族が爺さんを苛めたり殺したりしつつ恋や喧嘩に明け暮れるという、今ではありきたりな物語。
若き日のリー・マービンは既に渋かったが、肝心の中身はちょっと退屈だった。
不良たちの行為が健全過ぎる。『ウエストサイド物語』の不良の方がまだ過激だったくらいだ。
時代を考えるとしょうがないとはいえ、女の子に対しても非常に紳士的だ。

これで反逆児ぶってるのが滑稽だが、むしろこの映画はそういう行為を俯瞰的に情けなく描いているようだ。
暴走族達の革ジャンに書かれた「反逆」の文字を観たバカ女の反応も象徴的だ。
「キャシー、面白いのよ。背中の文字の意味聞いたらね、”暗黒の反逆者”だって。
でも何に反逆するか分かんないそうよ。HYAHAHAHA!!」

現代の基準だとイジメ確定のファッションだが、それでもマーロンブランドは文句なしにカッコイイ。
当時、この映画を発禁にした国もあるというが、過激さうんぬんよりも、反逆児マーロンブランドがあまりにも魅力的過ぎたのだろう。これは真似したくなる。

ところで、初めて『不良番長』の梅宮辰夫の格好を見た時、どうしてチンドン屋の格好をしているのかと思ったが、50年代の不良ファッションだったのね。
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