くりふ

アバター・オブ・マーズのくりふのレビュー・感想・評価

アバター・オブ・マーズ(2009年製作の映画)
1.5
【トレイシー・ローズの熟女とエイリアン】

モックバスター界のトップを走る(?)、模倣屋アサイラム社がお贈りする、『アバター』×『ジョン・カーター』直球便乗製品。時期的には後者の制作状況を盗み見つつ、前者の公開に便乗したようですね。

が、これバロウズの「火星のプリンセス」をちゃんと原作にしていて、便乗だけどパチモンではない、というのがこの社としては珍しいようです。

一番の見どころ兼トホホどころは、絶世の美女…の筈のデジャー・ソリスを、40過ぎのトレイシー・ローズさんがぶりぶり演じているところ。まさに誰得。

装身具以外マッパ、という原作設定を匂わせて集客狙ったのでしょうか?彼女を知ってる人なら、とっくに脱がないこと知ってる筈ですけどね…。

露出度は後発ディズニー・ソリスと変わりません。…あ、予測模倣かスゲエ!
見た目まんまレイア姫金属ビキニ・コスプレ。…お、これぞモックバストだ!

奴隷となってすわ拷問か!と期待させる剥き出しお腹はキレイでしたが、原作の大人展開…急げジョン!危うし姫の貞操!なスリルは皆無です。

それでもトレイシーさん、危機また危機。ずうっとむっつり顔なもんだから、眉間の皺が妙に目立…ってあれ? 最後で笑うのになぜ皺消えな(以下自粛)。

トレイシーさんのこと以外は特に、語ることもないですねえ…。というか、全篇に漲るトホホ感のおかげで書く気なくなっちゃいました。

驚いたのは、民族対立を現代感覚でボカシていたディズニー版に対し、こっちでは火星に地球某国と某国のいざこざをまんま持ちこんじゃうこと。で、某国が悪役なんですねえ。これがウケるなら何だかなーベイ国、です。もう百年近く前に書かれた原作から、なんだか退化してるのでわ。

原作にありディズニー版にない空気清浄機(笑)がこっちには登場しますが、さすが低予算! どっかの工場にてまんまロケで、ダクトに英語が見え隠れ。

お疲れ気味のパチモン露出姫が、びみょーに乳ゆらし・かわいくコケながら、発電所地下みたいな狭苦しい隙間を走るさまは、中々にシュールでした。

ちなみに、Wikiにはちゃんとアサイラム社のページが存在していますね。作品リストもあるのですが、その注釈が、※便乗した作品(元ネタ)がある場合は、右の”【】”の中に記す。となっており親切ですが、【】なくても元ネタわかるのがこの社の凄いところ。

<2012.6.15記>
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