炭酸煎餅

桃太郎 海の神兵の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)
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日本のアニメーションの歴史というと必ず出てくるタイトルなので観てみました。

タイトルに桃太郎と付いてはいますがいわゆる昔話としての「桃太郎」感はほぼなく、単に桃太郎が隊長役で出てくるだけの戦争アニメという感じでした。(桃太郎は途中登場で主役ですら無い)

内容の方は……まあ正直、話らしい話も特に無いのでドラマとしては観たからどうだと言うようなもんじゃないですね……。
ミュージカル調に歌に乗せて楽しげに作業シーンが映されるだけのような所も多く、まだ話の筋とかをあんまり意識しないくらいの小さい子を対象として想定していた感じなのかもしれません。
悪辣な欧州の商人(海賊?)が東南アジアの小国を丸ごと騙し取る帆船時代の昔話?が影絵調で突然挿入されたり(知らん間に違う動画に移ったのかと思った……)、申し訳程度に一本だけ角を生やされた連合軍(米軍?英軍?)が攻撃には右往左往するだけで話す事も要領を得ない軟弱集団だったり、国策映画らしい描写が時代を感じさせます。

フィルムがボロボロなのか映像はガビガビで音声の状態もかなり悪いので鑑賞しにくい作品だとは思うのですが、現物を知っている当時ならでは?の兵器・武装類周りの描写の詳しさや、動画としての様々な動きの細かさ・丁寧さなど、当時の時代背景・アニメ技術の一端が見える作品だと思いますので、歴史に興味があれば観ておいていい作品ではないかと思えました。
炭酸煎餅

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