ねこじた

マーガレットのねこじたのレビュー・感想・評価

マーガレット(2011年製作の映画)
4.0
マットデイモンとジャンレノの主役級俳優が脇役。
しかも、揃って、だらしなくて、ゲスい役なのだが、それがとても面白い。
実際、こういう無駄にイケメンな人っているよなぁ。
オファーを受けたのも納得の人間味あるキャラは見所。

さらに、作品も無駄に長尺。
風景の長回しをやたら挟んで来る。街、空、雑踏。

この作品、無駄がとても綺麗。

表題のマーガレットとは、主人公の名前では無く、
G.Mホプキンズの「春と秋 ある幼な子に」という詩集に出て来る子の名前。

マーガレット 君が嘆くは己のため


終始漂うこの閉塞感の正体は、おそらく、リアリティ。
この起こりかねそうな生々しさが、嫌なんだけど響く。

喋り続けてさえいれば悲痛の底に沈まずに済むんじゃないかというアンナパキンの感情的な演技が、肉体的に入ってくる。

必要以上の罪悪感は「まるでオペラ」。
卑屈は、暴力にもなる。


行間の多い長編小説が読みたいけど活字が入ってこない時、その読書欲の穴を埋めてくれるような純文学テイストな映画が観たくなる、ぴったりの作品だった。
ねこじた

ねこじた