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嘆きのピエタの59clubのレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
3.7
初めて見るキム・ギドク作品

高層ビルから見下ろす、弱き者がさらに弱き者を叩く資本主義の負の側面。
過剰な暴力も荒唐無稽な復讐も、後半からそれらの振り幅が止められない愛憎と諸刃の母性となり、振り子で以って全て腑に落ちてしまう演出。それは多分原理原則だから。
最初の夫婦の望み通り、ラストの「血の轍」を引く贖罪を、カタルシスも無くざらついた感情でただ茫然と見送るしかなかった。

ハレルヤは永遠なり、それでもやはり母子の描き方は儒教的なんだな。
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